新型コロナで葬儀の在り方も大きく変化しました
コロナ禍の終活はどうすれば?万が一を考え何をすべきか

  • 2020.12.11

終活・準備

世界中で猛威をふるう新型コロナウイルスは、日本人の生活も大きく変えてしまいました。
誰もがマスクを手放せなくなり、周囲の人が咳をするだけでその場を離れたくなるような状況が続き、心身ともに疲労と不安が蓄積している人も多いと思います。

しかし、この状況に終止符が打たれるまでには、まだ時間がかかるものと思われます。
万が一、自分が感染してしまった場合を想定して、家族に残すものや葬儀などの流れなどをまとめておくと安心できるはずです。

この記事では、新型コロナ禍での終活について、具体的に何をすべきなのか・自分が亡くなった場合にセレモニーを行うべきなのかなど、気になる点についてご紹介します。

日本の日常を破壊した新型コロナウイルス

諸外国に比べて、日本は比較的死者数は抑えられているとはいえ、たくさんの尊い命が失われました。

感染者の葬儀は速やかに行われるものの、衛生面から医療機関での消毒が行われた後、非透過性納体袋と呼ばれる袋に遺体を収納して執行されることから、棺のふたを開けて別れを惜しむことができません。

遺族の悲しみを軽減するためにも、自分がウイルスなどによって命を落としてしまうリスクを考えて、死後のことを考える気持ちが大切です。

エンディングノートの準備をしておこう

新型コロナウイルスは、年齢に関係なく命を奪う力を持つ病原体です。
若くして命を失っている人も少なくないことから、今この時からエンディングノートを用意しておくことで、家族・親族にかける負担を減らせます。

エンディングノートは、書式も枚数も自由ですから、自分が必要と感じたことを思うままに書き綴ることができます。
ただし、細かい情報をまとめようと思った場合、遺族が混乱しないよう、最低限の情報として以下の3つを盛り込むことをおすすめします。

何らかの事情で介護を必要とする立場になった場合の希望

イタリアの研究によると、新型コロナウイルスに感染して入院した患者の多くは、退院後も約9割に何らかの症状が持続していることが分かっています。
具体的な症状として、疲労感や呼吸困難など、今後の生活に支障をきたす症状が多く報告されています。
※参考サイト
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO62225110T00C20A8000000/

万一、脳や関節などに何らかの悪影響が及ぶようなことがあれば、その後の生活で介護を必要とするリスクは十分考えられます。
そこで、新型コロナウイルスにかかわらず、将来寝たきりの状態になってしまった場合などに備え、介護を受ける場合の自分の希望を記しておきましょう。

具体的には、以下のような情報をまとめておくと、家族の対応がスムーズになるでしょう。

  • 介護をお願いする人
  • 入所を希望する施設
  • 費用の工面
  • 財産の管理に関すること

生死にかかわる事故・病気に遭遇した場合の希望

呼吸器にダメージを与える新型コロナウイルスは、重度の場合意識が戻らないまま、帰らぬ人になるおそれがあります。
そこで、実際に自分が瀕死の状態に陥った場合に備えて、延命治療や臓器提供などの希望を書いておくことをおすすめします。

遺言書に書いたとしても、遺言書の開封は死後の話になるため、タイミング的に遅くなってしまいます。
家族には、できるだけ早めに自分の希望を伝えられるよう、エンディングノートを活用しましょう。

葬儀に関する希望

自分の死後、どのような形で葬儀を行って欲しいのかは、口頭で伝えてもなかなか伝わりにくい部分があります。
その点、エンディングノートに細かい希望を書いておくと、遺族があたふたせずに済みます。

  • 葬儀社が決まっているなら、契約内容や担当者への連絡・手続きの流れを書いておく。
  • 喪主の希望・連絡してほしい友人や知人などの住所・連絡先をまとめておく。
  • 通夜・葬儀など、各タイミングに応じた連絡方法などを注記しておく。

これらの情報の中で書けるものを少しずつ書き足しておけば、仮に途中で終わったとしても、遺族がある程度当たりをつけるのに役立ちます。

遺産相続などを想定するなら遺言書を作成する

エンディングノートには法的効力がないため、遺産を確実に家族や恩人などに相続させたいと考えているなら、遺言書の作成が必要です。
遺言書の形式は、主に自筆証書遺言と公正証書遺言のいずれかが選ばれる傾向にあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

自筆証書遺言は、自分のタイミングで気軽に書ける反面、せっかく作成した内容が法的効力を満たす形式ではないと判断された場合、無効になるおそれがあります。
また、遺産相続でもめ事が起こっている家族の場合、紛失・書き換えなどのリスクも多いのが特徴です。

公正証書遺言は、法律のプロとして経験を積んだ公証人に遺言書を作成してもらい、それを公証役場で保管してもらうタイプの遺言です。
法的効力が担保された遺言書を作成できる反面、証人を2名用意しなければならず、相続財産に応じた手数料の支払いも必要です。

どちらが望ましいかは、各家庭によって変わってきますから、弁護士・司法書士など法律のプロに相談しながら、最善の方法を模索しましょう。

可能であれば、新型コロナ禍での葬儀について家族で話し合う

厚生労働省は、新型コロナウイルスで亡くなった人とその家族・葬祭業に従事する人に対して、ガイドライン「新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方及びその疑いがある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」を発表しています。

この中では、遺体の感染性や個別の場面ごとの感染管理など、具体的なケースについて触れられています。

新型コロナ禍では、新型コロナウイルスが死因でない通常の葬儀にも気を配らなければならないため、参列者として誰を呼ぶのか・会場はどのような点に配慮して選ぶのかなど、事細かい部分にも意識を向けることが求められます。

もし、家族で話し合う時間が取れるなら、家族の誰かが新型コロナウイルスに感染して亡くなった場合、ガイドラインを参考に葬儀をどのように執り行うのか話し合っておきましょう。

みんなどうしてる?新型コロナ禍での終活例

実際に終活を行う場合、先人に学ぶのが近道です。
続いては、新型コロナ禍で流行っている・新しく注目されている終活の例についてご紹介します。

「おひとりさま」の終活という新しい傾向

終活は、年齢・性別・環境問わず誰でも行うべきものですから、基本的にこれといった形があるわけではありません。
しかし、新型コロナ禍では新しい傾向も生まれており、死を身近に感じた「おひとりさま」が早い段階で終活を始めている状況が見られます。

年齢も、40~50代の比較的若い世代が、納骨堂・お墓に関する問い合わせを行っています。
中には、親子共用の納骨堂について問い合わせるケースもあり、家族全員が亡くなった状況を想定しているものと推察されます。

LINEなどを使ったオンラインでの見学・相談なども盛んで、日常の相談事などに対応する窓口を設けているお寺もあります。
ただ、やはり気になるのはお墓に関することのようで、自分の死後を想定した質問が多いようです。

よりコンパクトな葬儀を希望する人が増えている

緊急事態宣言などの影響により、日本でも外出を制限せざるをえない状況が生まれたため、葬儀もよりコンパクトなものを希望する人が増えてきています。
これは、集団感染を未然に防ぐ目的以外に、地域によっては周囲の目を考えて決断するケースも考えられます。

具体的には、火葬のみを行う直葬、一日で葬儀が終わる一日葬、家族だけで行う家族葬などが検討されています。

直葬などは、かつては身寄りのない人が行う葬儀の形態でしたが、現代では安価に執り行える点などが再評価されており、新型コロナウイルスの影響が広がる前から注目していた人も一定数存在しています。

ある意味、葬儀を検討する各家庭にとっては、費用を減らすための口実ができたとも言えます。
しかし、簡素に済ませることだけに終始して、肝心の供養の気持ちを忘れないようにしたいものです。

「葬儀」どころじゃない現状

新型コロナウイルスが流行っている状況は、慢性的に異常事態が続いているのと同じです。
自分も家族も周囲の人も、いつどうなるか分かりませんし、経済的な事由から葬儀のことなど考えていられない人も多いと思います。

しかし、生きとし生ける者は必ず死を迎えるのが宿命ですから、葬儀どころじゃない現状であっても、状況が改善することを祈りつつ、粛々と終活を進める姿勢が大切です。

エンディングノートを用意する場合も、新型コロナ禍で葬儀を行うケースを想定して、細かいルールを考えておくと安心できるはずです。

新型コロナ禍で葬儀を行いたい場合の対処法

新型コロナ禍の状況で、運悪く家族が亡くなってしまった場合、まったく葬儀を執り行わずに遺体を放置するわけにはいきません。

実際、コロナウイルスの犠牲となった方は、すべからく葬儀を終えているわけですから、参列者に配慮したルールを設けていれば、問題なく葬儀に進むことができます。

人数は極力少なくして、3密を避けること

喪主としては心苦しい限りですが、葬儀を行う場合、できるだけ参列者の人数は少なくしなければなりません。

具体的な人数は会場の大きさによって変わりますから、担当者と会場の規模から考えるソーシャルディスタンスについて話し合い、密閉・密集・密接のいわゆる3密を避けられる会場作りを意識しましょう。

食事の席も控えること

バイキング形式のレストランではないにせよ、複数人が一つの皿をつまむ形で料理を出すことは控えたいところです。

さらに言えば、会場の一部で参列者が顔を付け合わせて食事をすること自体、リスクの高い行為ですから、葬儀のセレモニーが一通り終わった段階でお開きにするなどの配慮が必要です。

手洗いやマスク着用を徹底すること

参列者には、リスクを最大限減らすための心がけが求められます。

主催者側は、家族・親族・友人問わず、手洗い消毒を徹底すること・マスク着用など咳エチケットを守ることが、お互いの健康を守る行為だと認知させる努力をしなければなりません。

この記事のまとめ

新型コロナウイルスに関しては、日々新しいデータが集まる反面、まだ分からないことも多く、今後の動向には引き続き注目する必要があります。
しかし、生命の営みを止めることはできませんから、新型コロナ禍で自分や家族が亡くなった時に備え、終活をすることには意味があります。

新型コロナウイルスに限った話ではなく、少しでも自分の死を身近に感じたら、まずはエンディングノートをつけることから始めてみてはいかがでしょうか。
事前に考えを巡らせておけば、混乱極まる現状に惑わされることなく、自分や家族の将来を客観的に見つめることができるはずです。

  • 公開日:2020.12.11

テーマ:終活・準備

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