改めて遺品整理をおさらい。
そもそも遺品整理とは?何をどうするものなのか

誰の家にも、お気に入りの服や捨てられないものがあると思います。
しかし、その持ち主が亡くなってしまったら、誰も使ってくれる人がいないかもしれません。

また、自分ではもう使わないと分かっていても、処分が面倒でそのままにしているものも数多くあるでしょう。
服にせよ家具にせよ、死ぬ前にできるだけ身軽にしておいた方が、周囲の人に迷惑をかけずに済みます。

この記事では、遺品整理とはそもそも何か、具体的にモノをどう処分していくのかなど、遺品整理の基本的な内容をお伝えします。
自分の死後について考える機会が生まれたら、一緒に遺品整理のことも頭の片隅でイメージしておくとよいでしょう。

遺品整理とは、故人の残したものを整理・処分すること

一言でまとめてしまえば、遺品整理は「故人が残したものを遺族が整理・処分すること」です。
一人暮らしの人が亡くなった場合など、必ずしも整理を行うのは遺族とは限らず、相続権のない親族や不動産会社・大家などが対応することもあります。

故人がこの世に残していくものはたくさんある

遺品整理が必要になるほどモノを多く持っている人は、果たしてどれくらいいるのでしょうか。

経済産業省の調査によると、70代以上の高齢者のおよそ半分が遺品整理業者を必要としていることが分かっており、遺品査定士・遺品整理士という資格が新たに生まれているほどです。

人は年齢とともに考え方が固定化し、次第にモノを選ばない・使わないようになるものと考えがちですが、実際にはモノを捨てられずに亡くなる人が多いのです。
体力的な理由もあってモノを移動できないという事情もあり、高齢になるにつれ、部屋の新陳代謝が上手くいかなくなる例は数多く存在しています。

人は誰でも、いつ死ぬか分からない

基本的に、人間は自分たちの将来設計をもとに毎日を過ごしています。
そこには最終的に「死」という概念があるのですが、死のタイミングを明確に予期することはできません。

例えば、明日キャンプに行こうと思ってキャンプ用品を買い揃えた後、家の階段から足を滑らせて死んでしまうことも十分考えられます。
将来の豊かさを期待してモノを買い揃えても、それを消費しきってから亡くなる保証は誰にもないのです。

不慮の事態で亡くなった人の遺品の行き先は

将来を期待して購入されたモノが、その持ち主の死によってそのまま取り残されてしまったら、それは遺品となります。
そして、その遺品は最終的に遺族が受け取り、遺品整理によってしかるべき形で分配されます。

遺族の多くは、故人の遺品整理を行うことで、故人の死を少しずつ受け入れていきます。
中には、故人への気持ちを整理する中で涙ぐむ人もいるようです。

もし、受け取るべき遺族がいないようであれば、相続財産管理人が国庫帰属への手続きを行ったり、債権者への弁済・特別縁故者への分与手続きをしたりと、何らかの形で処分がなされます。

また、相続権のない親類と相続財産管理人の間に不用品回収業者が入って、遺産整理を行う場合もあります。

遺品整理の方法について

家族がいる場合、自分が亡くなったら家族は故人の遺族となり、故人に代わって遺品整理を行う立場となります。
葬儀を終えたばかりで落ち着かない中、財産に関すること・遺品に関することを行わなければならないのは、肉体的にも精神的にも厳しいものです。

そこで、自分が故人になる前に、万が一死んでしまった時のことを考えておけば、遺族への負担を減らせます。
続いては、主な遺品整理の方法について、いくつかご紹介します。

理想的なのは、自分が生きているうちにできるだけ処分すること

遺品整理は、その持ち主ができるだけ早く処分を検討していれば、その分遺族にかける負担が少なくなります。
よって、自分が生きているうちに不要なモノを処分する(生前整理)ことが、極力迷惑をかけずに天国へ行くための方法です。

そもそもこの世とお別れしてしまったら、全てのモノへの未練を強制的に断ち切られます。
そして、自分にとって必要なものは、基本的に自分が一番よく知っています。

それを考えると、やはり亡くなってから遺族に遺品整理をお願いするというのは、あまり効率的な話ではありません。
また、いつか死ぬことを考えたなら、持ち物は最小限で済むはずです。

モノを極限まで減らして生活している「ミニマリスト」という人たちは、ワンルームのわずかなスペースに荷物をまとめられるほど、持ち物を厳選しています。
ここまで極端な例に走る必要はありませんが、その気になればわずかな持ち物で人は生活できるのです。

1ケ月以上手に取っていないもの・3ケ月~半年以上着ていない服があれば、まずはそこから処分するだけでも気持ちが変わってきます。
できるだけ迷うことなく、気付いたら捨てることを徹底していれば、そのうちモノを捨てることへの抵抗感は薄まるはずです。

急に亡くなった場合は、遺族が必要に応じて処分する

命の順番通りに死が訪れればよいのですが、人は突然亡くなってしまうことがあります。
このような状況においては、遺族が必要に応じて遺品を処分しなければなりません。

もう持ち主はいないわけですから、最終的に捨てるなり売るなりして、不要物を処分していきます。
ただ、特に高価なものは遺産相続に関連している可能性がありますから、簡単に捨てるわけにはいきません。

逆に、価値が高いものが混ざっていることに気付かず、安値で売ってしまう可能性もあります。
思い出深い品を捨てることができず、これだけは形見として取っておきたいと考える人もいるはずです。

こういった、モノの取り扱いに関する遺族の混乱が、遺品整理では往々にして起こります。
よって、自分の持ち物をある程度整理しておけば、自分が死んでからの面倒なやり取りを減らすことができるでしょう。

必ずしも自分で捨てる・売るばかりではなく、万一の時に備えて目録を作っておき、それぞれ誰に継承するかを考えておけば、ゴタゴタも少なくなります。
生きているうちに、家族がそれぞれ亡くなった後のことを話し合っておけば、選択肢は数多く生まれるはずです。

量が多い場合・価値が分からない場合は、専門業者に依頼する

遺品整理をしたくても、そもそも家にあるモノの量が大量であったり、高いのか安いのか価値が分からないような品が混じっていたりする場合は、やはりその道のプロに頼むのが近道です。

遺産整理業者・ブランドや宝石の買取専門店に依頼すれば、量や質の問題で素人が悩む時間を減らせます。

遺産整理業者の中には、遺品整理だけでなくブランド・宝石の買取に関する知識を持っているところもあるため、整理と売却を一度に行えるケースもあります。
ブランド品を過去に買いあさったことがあり、それらが押し入れの中で眠っているような人は、一度にまとめて依頼できる業者を探した方がよいでしょう。

遺品整理をスムーズに進めるための心得

業者に頼めば、それだけ早く遺品整理が勧められますが、できれば遺族だけで行った方が費用を安くでき、お金も残ります。
ここからは、遺品整理をスムーズに進めるための心得について、いくつかの視点からご紹介します。

遺品を大きく3つに分類する

故人の遺品整理を行う場合、大きな障壁となるのは「捨てられない」という気持ちです。
そのような気持ちになること自体は決して悪いことではないのですが、いつまでも心の中の時間が止まったままでは作業もはかどりません。

そこで、まずは遺品を大きなくくりで分けていきます。
具体的には「形見にする(残す)もの」・「処分する(売る・捨てる)もの」・「はっきりしないもの」の3つに分け、それぞれを都度処分していく流れです。

残すものは、誰に何を渡すのかを早く決める

残すものに関しては、そのままインテリアとして残しておくなどの方法もありますが、多くは形見分けという形で遺品を欲しがる人に渡していきます。
取り合いになるような品を持っているケースは少ないでしょうが、品が限られているため、「誰に何を渡すか」ルールを決めて、早めに渡す方がよいでしょう。

故人と特に親しかった人には、やはり故人の思い出深いものを渡してあげたいところですし、遺言があるならそれに従わなければなりません。
遺族全員の理解があるなら、判断に迷うものはとりあえず保留しておき、後々欲しいと名乗り出た人に早い者勝ちで渡すなど、臨機応変に対応することが肝心です。

処分が必要なものは、売るか捨てるか判断する

売ればそれなりの金額になることが分かっている品は、おそらく売るという判断を迷うことはないと思いますが、中には金額がつくかどうか分からないものもあります。

素人にはそのような目利きができないため、まずは処分が必要なもののブロックに分けた後、一品一品吟味するのがセオリーです。

宝石やブランドバッグなどは比較的分かりやすく、買取業者に依頼した方が話も早いので、悩むことは少ないでしょう。
問題はお金にならなそうなものの処分で、捨てる場合はお金がかかるため、できれば売る方向性で考えたいところです。

二束三文でいいから早くお金にしたいということであれば、リサイクルショップに持ち込んでしまえば楽です。
ただ、あまりに量が多いようであれば、業者に依頼するのが賢明です。

処分を保留したものは、ある程度時間が経過してから再び判断する

残すものと処分するものを仕分けた段階で、ある程度の品はさばけていると思います。
しかし、どうしても判断がつかず保留したものが出てきたら、それらは当日のうちに判断せず、また時間を置いて判断していきます。

一度多くのものを処分していると、部屋だけでなく頭の中もスッキリしますから、後日新しい気持ちで処分を検討できるようになります。
残す・処分する・保留するのサイクルを繰り返していけば、やがて必要なものだけが揃っている状態になるはずです。

この記事のまとめ

遺品整理は、日本でこれからニーズが増えるものと予想されます。
それは、高齢化社会と単身世帯の増加が、日本国内でほぼ確実になっているからです。

現在一人で暮らしている・もしくは子どもがいない家庭は、やがて来る死に備えて終活を始めることになります。
その際、誰かに迷惑をかけないよう、遺品整理について考えておけば、安心して老後を迎えられるはずです。

  • 公開日:2020.11.29

テーマ:生前整理・遺品整理

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