葬儀の事前相談は普通の事?それとも不謹慎?
実際に葬儀社に事前相談するメリットや注意点とは

  • 2019.11.08
  • 2020.04.17

葬儀

自分や家族の死について考えることは、日本において古くからタブー視されてきました。
しかし、日本における各世帯の核家族化・孤立化・価値観の変化によって、事前に式次第や予算・参加者などを決める「葬儀の事前相談」の事例が増えてきました。

もともと、大手葬儀社が行っている互助会制度のように、あらかじめ葬儀にそなえて「もしもの時」に葬儀費用を積み立てるという概念は存在しており、その過程で担当者などに相談することは珍しくありません。

今回は、そんな葬儀の事前相談について、概要・メリット・注意点をご紹介します。

葬儀の事前相談とは

まずは、葬儀の事前相談について、どのようなサービスを指すのか概要をお伝えします。
具体的な葬儀プランを組み立てるばかりではなく、葬儀に関する疑問について確認するような単純なものも含まれるため、そのニーズは幅広いと言えるでしょう。

「何が分からないのか分からない」人のためのサービス

葬儀の事前相談は、一言でまとめると「葬儀を迎えたときに何をすればよいのか分からない」人のために設けられた相談窓口です。

過去に葬儀に参列した経験はあっても、具体的にどう葬儀を進めるべきなのか全く分からないという人は少なくなく、依頼する葬儀社選びから葬儀に向けて何を準備すればよいのかなど、一般常識に近いレベルから知らない人も珍しくありません。

そこで、葬儀に関する細かい悩みの相談に乗る窓口を、各社が設けるようになりました。
最終的には、相談してきた顧客に自社を利用してもらうことが目的ですが、勧誘はかえって警戒されるため、窓口は専門に設けていることが多いようです。

対面型の相談スペースを設けているところもあれば、専用ダイヤルを設けているところもあります。
比較的単純な話であれば、電話で問い合わせるだけで解消することも多いため、まずは気軽に使えるものから試すのが無難です。

少し踏み込んだ相談は担当者と対面で行う

漠然と何から準備すればよいか不安を感じる場合や、親族の葬儀で包む香典の額を聞く場合などは、電話で相談するだけでも一定の解決策を教えてくれるでしょう。
しかし、具体的に葬儀をどう進めるのか・宗派はどうするのかなど、自分の家の事情を反映した相談をするケースでは、担当者を介して話をするとよいでしょう。

ここで言う担当者とは、事前相談を専門に行うスタッフだけでなく、葬儀社で見積もりを出してくれる担当者も含まれます。

実際に式を挙げる場合の予算などについては、事前相談スタッフの側で見積もりを出せないケースもあるため、専門の窓口もしくは営業担当を紹介されることもあるからです。

担当者と対面で相談するかどうかを判断する基準としては、その相談に「葬儀代金」がからんでくるかどうかです。

詳細な見積もりが必要になるような場合は、直接担当者の顔を見ながら、見積もりを付け合わせましょう。
可能であれば、相見積もりを取るのも有効です。

ご近所さんや親戚に聞いていたことを聞く例も

葬儀の事前相談は、葬儀に関連する具体的な相談が多いものの、中にはかつてご近所さん・親戚に聞いていたものまで聞く例もあります。
例えば、葬儀に着ていく服・化粧の有無・靴下やストッキングの色など、赤の他人に聞くのが恥ずかしいと思われるようなことも、相談する内容の範疇に入っています。

都会のように世帯の孤立化が進む地域では、なかなか他人に何かを相談する機会が少なく、周囲にそういう人もいないことから、葬儀に関する常識というものが次第に薄れていきます。

その結果、誰もが知っていると世間が思っていたことが、いつの間にか常識でなくなっていったものと推察されます。

もちろん、いち顧客として問い合わせる限りは、決して失礼なことではありませんから、不明な点はどんどん聞いた方が便利です。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥という言葉もありますから、相談する際は素直な気持ちで聞いてみましょう。

葬儀の事前相談を行うメリット

事前に葬儀に関する相談事をプロに相談しておくと、疑問に思っていたことを解決するのに役立つだけでなく、実際に葬儀を行うにあたりスムーズに手続きを進めるのにも役立ちます。

以下に、事前相談を受ける主なメリットをご紹介します。

いざという時に慌てにくくなる

事前相談によって、分からなかったことが分かるようになると、有事の際でも慌てずに対応しやすくなります。
ある程度常識として把握していたことでも、喪主・遺族の側になった途端、自分が想定していた状況と異なる場面に遭遇することは珍しくありません。

日本で主流となる仏式では、ルールが厳密に決められているため、ちょっとした間違いが気になってしまうこともあります。
よって、予備知識として自分が気になる部分だけでも確認しておくと、葬儀をスムーズに進められます。

そもそも質問事項として思いつかないような部分については、実際に式を行う中でスタッフに随時確認するだけでも解決できることが多いですから、あまり深刻に考えなくても式自体は進行できるケースがほとんどです。

しかし、家庭の事情も踏まえてプロの意見を聞きたい場合は、不安要素を潰す点でも有効に働くでしょう。

費用を大まかに把握できる

事前相談を行う際は、大手葬儀社の専用窓口を頼る場合の他、担当者と詳しいプランについて相談するケースがあります。
このような場合、自分たちが希望する予算に応じたプランを組む方法と、逆に式の内容を決めてから値段を考慮して詳細を詰めていく方法とがあります。

いずれの場合も、施行前に大まかな費用を見積もりで提示してもらえば、葬儀が終わった後で「こんなにかかるとは思っていなかった」と後悔するリスクは少なくなります。

逆に、担当者にお任せにしてしまうと、なんだかんだと品数が増え、結果的に大赤字になってしまう可能性があります。

もっとも、このような場合に担当者ばかりを責められない部分は少なからず存在し、担当者としても売上にからむ部分はできるだけ省きたくないと考えるのが本音です。

よって、頼む側が手綱を引かなければ、どんどん担当者は理由を付けていくものと考え、事前に手を打つ意味で相談するのがベターです。

担当者との連携が取りやすくなる

事前に費用について担当者と詰める意味で、担当者と綿密に打ち合わせを行うのは重要です。

しかし、担当者に葬儀について事前に相談することは、必ずしも担当者側の暴走を止める意味だけでなく、きちんとお互いに納得のいくプランでの契約を結ぶことにもつながります。

葬儀の現場で主に動くのは、斎場に配置される葬祭スタッフです。
そして、葬儀におけるセレモニーの主な部分は、担当者や葬祭スタッフと連携して進めていきますし、進行もスタッフによって進められていきます。

各人が「よい葬儀にしよう」と考えて動き回る姿を見てしまったら、なかなか「ここまでのサービスは求めていなかった」とは言いにくいはずです。
だからこそ、どれだけの人数が葬儀に参列する予定か、どこまでの対応は自分たちで行うか、細かい部分を担当者に伝えておきたいところです。

もっとも、よい葬儀社であれば、予算を上乗せするような提案をせず、予算の中でどうするかを丁寧に考えてくれます。
大手で教育が不十分な新人が担当する場合は、大幅な予算増を提案されることもありますが、その場合は担当者を変えてほしい旨を伝えれば済むはずです。

葬儀の事前相談を行う際の注意点

葬儀社に事前相談する以上、ゴールとなる葬儀の形をある程度見据えて相談することになります。
よって、具体的な内容を相談するためにも、以下のような内容は家族・親族を交えて事前に話し合っておきましょう。

葬儀の規模・形式

葬儀を予算ありきで組むにせよ、プランありきで組むにせよ、どのような規模・形式で葬儀を行うのかを最初に考えておきましょう。
一口に仏式で行うものと考えていても、宗派の違いや一般葬・家族葬などの形式の違いが絡んでくるため、答えは一律ではありません。

親族・参列者の人数、家族が望む形式を踏まえて、どのくらいの金額がかかるのかを比較検討します。
希望している予算から大きく離れるようなことがあれば、規模の縮小や自由葬などの可能性も探ることになります。

葬儀には数多くの事例があるものの、答えは人それぞれです。
総合的な観点から、最終的な形をイメージして答えを出しましょう。

場所に関すること

葬儀社が自前で斎場を経営しているなら、基本的に場所に関する問題は発生しません。
自宅で安置できない事情があったとしても、葬儀社で安置施設を提供できる場合が多いからです。

これに対し、いったん自宅に遺体を安置する方向で考えているなら、斎場に遺体を移動する手間を考えなければなりません。
あまりに斎場が自宅から離れているような場合は、交通の便も考えて場所を選ぶことが大切です。

家族だけでなく参列者にとっても、場所は大きな問題です。
郊外型の斎場にするか、都市型斎場にするかについては、参列者の「足」を考えて決断するとよいでしょう。

本人・家族のこだわり

葬儀社との契約にあたって、葬儀を行う際は「どうしてもこれをやって欲しい」という希望を伝える場合があります。

自由葬などもそうですが、クラシック音楽が好きだからピアノの生演奏を入れて欲しいとか、棺によく読んでいる本を入れて焼いて欲しいとか、細やかな希望を葬儀社に伝えるケースは増えてきています。

対応できるケースは葬儀社によって限られてきますが、相談すれば対応してくれる可能性は十分あります。
何か希望があるなら、一度見積もりを出してもらうことをおすすめします。

この記事のまとめ

自分や家族の死について、あらかじめ考えを巡らせておくことは、遺族に迷惑をかけないためにも重要です。
事前相談を行っておけば、自分が不安に感じる点を葬儀前につぶしておけますし、具体的な予算・場所・こだわりについて担当者に希望を出すこともできます。

現代では、事前相談は決してタブーではありません。
まずは気軽に、専門相談ダイヤルなどに電話することから始めてみましょう。

  • 公開日:2019.11.08
  • 更新日:2020.04.17

テーマ:葬儀

タグ :

この記事を読んだ人におすすめの記事

弔電をもらったらお礼は必要?お返しの時期や基本マナーと注意点
葬儀で喪主・遺族が参列者とやり取りする場面は多く、特に悩ましいのが香典返しなどの「お返し」に関する準備です。 しかし、弔電に関しては、どのようにお礼・お返しをすればよいのか、戸惑う ...

家族葬は身内の誰までを呼ぶべきか。声を掛ける側と参列する側の判断基準について
少子高齢化が進む日本では、多数の人を呼んで執り行う一般葬を負担に感じる人が増えてきています。 長生きすればするほど縁故の人が亡くなっていくため、気が付いたら自分の周囲に知り合いが一 ...

戸籍謄本が葬儀後に必要?どんなケースで必要なのかと取得や取り寄せの注意点
戸籍謄本と聞くと、パスポート取得時や婚姻届を提出する場合など、官公庁で重要な登録を行う際に必要な書類としてイメージする方が多いと思います。 しかし、この戸籍謄本は、葬儀後にも必要に ...

お盆や年末年始の帰省で親と話すべき葬儀や終活はどんなことがあるか
お盆・年末年始の折に実家に帰ると、親と将来のことを話し合う機会は多いと思います。 老い先短い人生を考えたとき、誰しも自分の身の振り方をどうすればよいか考えなければなりません。 親の ...

宗派によって違う香典袋の書き方。表書きの基本と書き方と注意点
香典袋を用意する時、多くの方はコンビニ・文房具店などで、すでに表書きや水引が印刷されているものを選ぶことが多くなりました。 しかし、それほど親しくない間柄の人の葬儀に参列するならま ...