最近流行?墓じまいの代行サービスについて。
サービスの特徴や実際の流れと必要や費用・料金について

  • 2021.08.09

お墓

墓じまいを進めるにあたり、お墓の持ち主は時間をかけて書類を集め、関係各位に連絡し、業者に片づけを依頼します。
墓じまい後のことまで考えると、かなり手間がかかる話ですから、墓じまいは誰でも気軽にできることではありません。

そこで、できるだけ墓じまいをかんたんに済ませるためのサービスとして、墓じまいの代行サービスがあります。
大手企業も参入している分野で、墓じまいのニーズが増える日本において、今後もっと注目されるであろうサービスの一つです。

この記事では、墓参りの代行サービスについて、その特徴や実際のサービスの流れを紹介しつつ、サービスが必要な人の特徴・具体的な費用・料金などについてご紹介します。
自分で墓じまいをする時間がなくて困っている人は、ぜひ最後までご覧ください。

墓じまい代行サービスとは?

墓じまい代行サービスとは、本来であればお墓を管理している家族が行う墓じまいの手続きを、一部または全部代行してくれるサービスです。

親族間で方向性をすり合わせることは自分たちでやらなければなりませんが、それ以降の手続きはほとんど代行してくれるため、時間が足りなくて墓じまいに踏み切れない人にとってはありがたいサービスとなっています。

墓じまいに必要なほぼ全ての仕事を代行してくれる

墓じまい代行サービスを使う大きなメリットは、墓じまいに必要な、ほぼ全ての仕事を代行してくれる点です。
料金も総じて良心的な範囲に収まっており、見積もりを依頼する方法もかんたんにまとめられています。

見積もり依頼は、写真を送る方法と、現地で職人に依頼する方法に分かれます。
代行サービスによってやり方が違うため、資料請求の際に確認するとよいでしょう。

代行してくれることは、主に4種類に分けられる

具体的な代行内容としては、親族との交渉を除いた、以下の4つが該当します。

墓地・霊園の管理者から書類をもらう

墓じまいを行うには、市区町村役場に提出するための書類を準備しなければなりません。
提出するのは、以下の3種類の書類です。

  • 改葬許可申請書
  • 埋葬証明書
  • 受入証明書

埋葬証明書は、現在お世話になっている墓地の管理人から、きちんとお墓を利用していることを証明してもらうために必要な書類です。
受入証明書は、新しくお世話になる墓地の管理人によって、墓地の使用が許可されたことを証明する書類です。

また、この2枚をもらう際、改装許可申請書にそれぞれの管理人から署名・捺印をもらいます。
これらの書類がないと「改葬許可証」が手に入らないため、墓じまいを進めることができません。

代行サービスを使えば、書類を手に入れるため新旧墓地に足を運ぶ面倒さを省けます。
また、墓地の管理人と要領を得た話ができるかどうか不安な人も、安心して依頼できるでしょう。

自治体で定められた手続きをする

墓じまいに必要な書類を手に入れた上で、改葬許可証を交付してもらうには、先にあげた3種類の書類(改葬許可申請書・埋葬証明書・受入証明書)を市区町村役場に提出しなければなりません。

書類だけを集めても、所定の手続を進めて書類審査が通らなければ、許可が得られない可能性があります。

代行サービスでは、数多くの手続きを代行して実績を積んでいますから、素人が悩む部分をカットして効率的に申請を行ってくれます。
1回の訪問で確実に改葬許可証をもらってくれることが期待できるため、無駄に審査を待たず手続きが進められるでしょう。

墓石の片づけ(解体・撤去・更地化)

墓じまいを済ませるためには、旧墓地で借りている区画を更地にしなければなりません。
そのためには、墓石を解体して撤去した後、近所の空間に配慮して墓地を更地に戻す必要があります。

これを自分たちで全て行うのは現実的ではありませんし、良い石材店を探すのも一苦労です。
代行サービスなら、腕の良い業者を自分の代わりに探してくれるため、安心して仕事を任せられます。

遺骨の取り出し・預かり

お墓を更地にする際、遺骨は原則として自分で取り出し、新しい納骨場所が決まるまでは自宅などで保管しておくのが基本です。
しかし、代行サービスに頼めば、この作業も代行してくれた上に、新しい納骨場所に安置するまでの間、一時的に預かってくれます。

遺骨の収納スペースが自宅にない場合など、遺骨を預かる余裕がない家では、このようなサービスはありがたいはずです。

依頼する場合、どれか一つだけでもOK

ご紹介してきた4つのサービスは、必ずしも一式で頼む必要はなく、どれか一つだけ必要なものを選べば問題ありません。
例えば、墓石の片づけをお願いする業者だけ選んで欲しい、という頼み方もできるのです。

「予算は節約したいけど、不安なところだけお願いしたい」という場合は、そのような依頼の仕方を考えるとよいでしょう。
また、代行サービスは依頼する内容に応じて金額が変わるため、予算に応じて何を頼むか決めるという方法も選べます。

墓じまい代行サービスを利用すべき人の特徴

墓じまい代行サービスを依頼した方が得になる人には、どのような特徴があるのでしょうか。
最も大きい理由としては「墓じまいの準備をする時間がない」ことがあげられますが、それ以外にもいくつか不安要素が考えられそうです。

資料集めできる時間がない

新旧墓地の管理人に会い、事情を話して書類・署名・捺印をもらうという作業は、なかなか片手間でできることではありません。
例えば、単身者が行う場合、貴重な休み・時には有休を使いつつ必要な資料を集めなければならず、心身の負担は大変なものです。

かといって、実家の両親に頼むのも難しいような場合は、やはり自分で無理をして時間を作ることになるでしょう。
それがもとで必要事項が抜けてしまい、審査に通るのが遅れるくらいなら、最初から専門家に頼むのが早いはずです。

墓地や霊園の管理人と交渉する手間を省きたい

墓地や霊園の管理人は、担当者が業務に忠実な限り、利用者ともめるようなことはまずありません。
ただ、寺院が運営している墓地の場合、事前に話を通さないと、離檀料の件などでもめるおそれがあります。

交渉に時間がかかったり、先方を嫌な気持ちにさせてしまったりすると、その後のやり取りが停滞するだけでなく、墓じまい自体が上手くいかなくなるかもしれません。
面倒ごとを避け、確実に交渉を進めたい人にとって、代行サービスは役に立つはずです。

お墓を撤去する業者選びに自信がない

代行サービスに仕事を依頼する大きな理由の一つとして、お墓を撤去する業者を「どう選べばよいのか分からない」という理由があります。
墓じまいをお願いする機会は、多くの人にとって一生に一度しかないはずですから、少ない知識と判断材料で信用できる石材店を選ぶのは大変です。

それなら、いっそのこと墓じまいに関する一通りのサービスを代行できるところに依頼してしまえば、お墓の撤去について悩む必要はなくなります。
墓石の解体・撤去に関しては、費用面でも大きな額が動きますから、特に失敗したくないと考えている人にとってはおすすめです。

墓じまい代行サービスにかかる費用

実際に墓じまい代行サービスを依頼した場合、どのくらいの費用をかければ代行してくれるのでしょうか。
続いては、墓じまい代行サービスに作業を代行してもらった場合の費用について、各種手続きの相場をご紹介します。

全てを代行してもらった場合の相場

親族との話し合いを除いた墓じまいに関する手続きにつき、全てを代行してもらった場合、代行料は概ね16~30万円の間で落ち着きます。
20万円を切るなら、良心的な価格設定と考えてよく、セットプランにした方が総額は安くなります。

金額をチェックする際に気を付けたいのは、代行料はあくまでも「作業を代行する」ことに対して発生する費用であって、墓じまい自体にかかる費用は自前で別途用意する必要がある点です。

手続き自体の料金がコミコミ価格になっているかどうかは、パンフレットなどを確認する必要があるため、その点には注意が必要です。

一部の手続きだけをやってもらった場合の相場

墓じまい代行サービスが代行してくれる個々の作業に関しては、それぞれに相場があります。
単体で頼むと高くなる場合もあるため、複数の作業を頼みたいのであれば、できれば一度にまとめた方がよいでしょう。

まず、市区町村役場への手続きである改葬許可証の取得代行は、概ね3~6万円となっています。

単体で依頼する場合、行政書士に依頼することが多い仕事ですが、事務所によっては故人の人数が費用に反映されることがあるため、一見安く見える場合は費用内訳をきちんと確認することをおすすめします。

続いて、遺骨に関する作業代行については、一時預かりのみなら1万円、遺骨の移動は2万円、遺骨の取り出しには3万円ほどかかるものと考えておきます。
また、新しいお墓に納骨する場合も、取り出しと同じく3万円ほど出費を想定しておきましょう。

墓石解体・撤去にかかる費用は、墓地の広さや石材の量によっても変わってきます。
それを見越した上で、単体で行うなら10~30万円が一つの目安になります。

重機を使って作業できる場合は安くなりますが、人力での解体が必要なほど狭いスペースの場合は、より料金が高くなります。

新しい埋葬先などのオプションサービスについて

代行サービスによっては、墓じまい後の埋葬先について提案するサービスも用意されています。
永代供養墓や海洋散骨など、良心的な値段で用意されているものも少なくありませんから、遺骨をどうするか考えていない人は選んでみるのも良いでしょう。

安いものでは5万円から用意できるため、予算に限りがある人でも安心です。
メモリアルプレートや納骨用の簡易仏壇などが、3~8万円ほどで用意されているところもありますから、手元供養を考える人は選んでみてはいかがでしょうか。

この記事のまとめ

墓じまい代行を依頼する場合、一括で依頼した方がいろいろと便利ですが、中には一部だけ代行してもらった方が安くなる作業もあります。
人員を手続きに避けるなら、せめて書類関係の提出だけでも自分でやると、費用の負担を大きく抑えられます。

代行サービスを利用するなら、プロに任せることと、自力で何とかなることを分別してから頼んだ方が、時間も予算もスマートに使えます。
できるだけ一人で悩まず、家族・親族で話し合う中で知恵を出し合い、自分たちにとってベストな方法を考えてみましょう。

  • 公開日:2021.08.09

テーマ:お墓

タグ :, ,

この記事を読んだ人におすすめの記事

今の時代は納骨の種類を選べる時代。それぞれの納骨の特徴と費用感
Mvrお盆やお彼岸などに、一年に数回家族・親戚がお墓に集まって故人をしのぶ習慣は、日本の風物詩として広く知られています。 しかし、子どものいない夫婦や独身の方が増えてきたことや、お ...

家族が葬儀でやらなければいけない事。葬儀社の葬式サポートはどこからどこまで
家族や友人・知人など、人と人とのつながりがある限り、何度かは誰かの死に立ち会わなければなりません。 そのような中で頼りになるのが、数多くの人の死を見つめ、サポートしてきた葬儀社です ...

いまさら聞けない宗派について。自分の宗派の確認方法と宗派ごとの特徴
「あなたのお家の宗派は何ですか?」 こう聞かれて、きちんと答えられる人は、果たしてどのくらいいるのでしょうか。 自宅にお仏壇がある家であれば、おそらく答えるのはそう難しくないでしょ ...

墓じまい後の遺骨の供養は?改葬?永代供養?散骨などどう選べば良い?
今まで通いなれたお墓を片付ける「墓じまい」は、遺骨ごとお墓を片付けるわけではなく、その後も遺骨を供養するために行います。 つまり、墓じまいを考えるなら、墓じまい後のことまでイメージ ...

お墓を建てる時の基本。お墓の必要性と菩提寺の確認や寺院の選び方
お墓は、日本人の心のシンボルの一つとなっていて、手入れをしたものも含め数百年単位で姿を保つお墓があるほどです。 しかし、いざ自分の家でお墓を建てようと考えた場合、それなりの費用がか ...