お盆時期のお墓参りの基本とマナーについて。
日程はいつが最適で、当日の服装や手順なども解説

  • 2020.02.28
  • 2020.04.17

法事・法要, お墓

四季折々・一年を通じて、どんな家族にもお墓参りのタイミングがあります。
月命日のお墓参り、年末年始のお墓参りなど、各家庭の置かれた環境に応じて足を運びます。

もちろん、お盆にお墓参りに行くことも、数あるタイミングの中の一つです。
今回は、お盆のお墓参りについて、行く時期や当日の服装・手順など、基本的なマナーについてご紹介します。

お盆のお墓参りで押さえておきたい基本事項

お盆の時期は、亡くなった人やご先祖様が、あの世からこの世に戻ってくる時期と言われます。
お墓参りで特別なルールこそ設けられていないものの、霊を盛大にお迎え・お見送りする時期のため、いつもより丁寧に供養することを意識したいところです。

お盆はお墓参りしなくてもよい?

かつては、お盆と言えばお墓から迎え火の火種を持ち帰り、自宅で苧殻に火を付けて迎え火を焚いていました。
しかし、現代では自宅とお墓との距離が遠い家が増え、火を持ち帰ることが危険なことから、次第にお墓参りの重要性が薄れていきました。

そのような事情からか、現代ではいつの間にか「お盆はご先祖様が自宅に来るから、お墓参りに行かなくてもよい」と考える人が増えてきています。
しかし、この考え方は間違いです。

そもそも、人はなぜお墓を建立するのでしょうか。
家族・個人によって考え方の差こそあれど、共通しているのは「死後の安寧」を祈ってのはずです。

墓石に「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」などと彫るように、ご先祖様に祈りを向ける背景には、御仏の存在があります。
お墓とは、人の信仰心そのものであり、お墓を大切にすることは、ご先祖様以上に自分たちを大切にする行為だと言えるでしょう。

迎えは早く、帰りは遅く

お盆のお墓参りのタイミングは、よく「迎えは早く、帰りは遅く」と言われます。
ここでの迎えは13日・帰りは16日を指しています。

早くの意味合いは、つまり午前中に墓参りを済ませよ、ということです。
ご先祖様や故人の霊は午後になってから移動するため、昼のうちに墓参りをして夕方に迎え火を焚いて待っておけ、という意味になります。

遅くの意味合いは、できるだけご先祖様に長く留まって欲しいという気持ちから、夕方にお墓参りをするという考え方です。
ただ、現代において時間の縛りはそこまで厳密なものではないため、あくまでも祈りを捧げようと思う気持ちが大切です。

地域によっては、精霊流しのように夜遅くまでお盆のイベントが行われるところもありますが、一般的に夜のお墓は不気味なものですから、お盆だからといって夜のお墓に足を運ぶ必要はありません。

防犯上の理由からも、できるだけ早めにお墓参りを済ませるのが賢明です。

迎え火・送り火はお墓に執着する必要はない

迎え火・送り火は、本来であればお墓を介して行うのがルールです。
しかし、現代では火種を持ち運ぶ際の問題から、お墓で火を扱う場面は限定的です。

基本的には、自宅の周囲の安全なスペースで、火を焚くだけでも十分です。
できるだけ、燃え広がるおそれのある火を使わないよう、LEDなどの明かりに頼るのもよい方法です。

線香やロウソクに火を灯す場面でも、近くに植物があれば風で火が広がる可能性があります。
周囲の環境に注意しながら、火を取り扱うようにしましょう。

お盆のお墓参りに向かう場合の服装マナー

お盆におけるお墓参りは、どちらかというとカジュアルな席です。
法要を除いて、一般的な服装の延長線上で服装を考えて差し支えありません。

お盆のお墓参りでは、常識の範囲内で清潔な格好をする

お盆中にお墓参りをする場合、基本的には服装の縛りはありません。
あくまでも、常識の範囲内で清潔な格好をしていれば、特にとがめられることはないでしょう。

とはいえ、お墓参りをする以上、お墓の清掃・お供え・お祈りを外で行うことになります。
それを踏まえ、極力動きやすい服装を選んでおくとよいでしょう。

同じタイミングで、多くの家族が墓参りにやって来ることを考えると、目立つ服・アクセサリーの着用や、風に乗って香りが流れる香水なども控えたいところです。

7月・8月という時期を考えると、猛暑になるおそれもありますから、なるべく汗を吸収・発散する素材のものを選ぶと楽になるはずです。

初盆であっても、そこまで服装をシビアに気にしなくてよい

お盆ということで少々気になるのが、初盆の場合です。
初盆とは、故人の「四十九日を終えた年のお盆」を指し、一般的なお盆とは決まり事が多少異なります。

その延長線上で考えた時、初盆だから礼装でなければならないのか、と考える人も多いと思います。
しかし、礼装の有無は初盆かどうかではなく、かしこまった席でのお墓参りがあるかどうかに左右されます。

初盆の家でもそれを見越して、あえて平服を指定する場合があります。
特に、暑い地域で黒ずくめの礼装というのは、太陽光線を吸収して暑くなり、参列者の体力を消耗させます。

お墓参りは、ざっくりと言い換えればアウトドアですから、室内と同じ勝手で考えるわけにはいきません。
招く側は特に、参列者の健康に配慮した心がけが求められます。

法要の場合は喪服の着用が理想的

特にかしこまった席で、法要も含めてお墓参りを行うならば、喪服を着用することになるでしょう。
特段施主から断りがない限り、初盆も含め七回忌までは準喪服を着用すると確実です。

ただ、葬式ほど堅苦しくない場合が多く、男性はダークカラーのスーツと白ワイシャツ・女性はブラックのワンピースを着用すれば、特段指摘を受けることもなく参列できるでしょう。
案内を確認した上で、TPOを意識した服装を心がけていれば、失礼にあたることはないはずです。

お盆のお墓参りは何をするのか

服装の決まりが分かったところで、ここからは具体的に、お盆のお墓参りで行うべきことを確認していきましょう。
家族・親族が集まる中でのお墓参りなら、掃除の仕方やお供え物の決まり・基本的なお参り方法を覚えておけば確実です。

基本的には、普段のお墓参りと変わりない

お盆の時期は、全国的に各家庭・会社などでお参りが行われる時期のため、やるべき事は普段のお墓参りと変わりません。
お墓に足を運んだら、掃除をして、お供え物をして、お花や線香をあげてお参りする……という一連の流れを丁寧に行います。

お参りする場合、一緒に暮らしていた家族など、最近亡くなった故人と関わりが深かった順にお参りするのが基本です。
しかし、家族は普段からお墓参りに行っているから、逆に来訪者から先にお参りしてもらう、という考え方もあります。

また、お盆に限らずそうですが、お祈りの前に墓石に水をかける習慣があります。
ご先祖様・故人に喉を潤して欲しいと考え行うこの習慣は、かえってご先祖様などに失礼だと考える家もありますから注意が必要です。

冷静に考えてみると、お供え物や線香はきちんと現物を飾るのに、お水だけは墓石にかけるというのは、確かにおかしく感じられるかもしれません。
飲み水やジュースなど、生前故人が好きだったものを容器に入れて飾るのが確実です。

お供え物は盆菓子やフルーツを用意するのがスタンダード

お供え物を用意するなら、盆菓子・フルーツを選ぶのがスタンダードです。
お盆の時期が夏ということもあり、多くの果物が夏ごろに旬を迎えることから、比較的入手しやすいのも利点です。

盆菓子として特に有名なのは「落雁(らくがん)」です。
落雁はでんぷん・砂糖・水あめなどを混ぜて作られ、口に入れるとかなり甘いお菓子です。

果物や花の形を模していて色合いも優しく、生きた時代も様々なご先祖様にも受け入れられやすいでしょう。
腐りにくいという意味では、煎餅などの焼き菓子もおすすめです。

地域によっては、「口取り」と呼ばれる、タイ・エビなどの縁起物を模した練り切り型のお菓子もあります。
生臭ものを避けつつ美味しいもの・彩りのよいものを選びたいと考える、先人の知恵と言えるかもしれません。

フルーツを選ぶ場合は、丸い形状のお菓子を選ぶと、形が「縁」を連想させることから縁起物になりますので、桃やスイカなどを選ぶのがよいでしょう。
複数の種類を集めてお供えするなら、奇数にすると「割り切れない」ため縁起が良いとされます。

お墓周りの掃除は丁寧に

普段、お墓参りに行く機会が多く、きちんと掃除をしているという人であっても、お墓をきれいにするのは大変です。
墓地によっては自然豊かなところもありますから、雑草や落ち葉がたまってしまうことも珍しくありません。

雑草が多い場合、手袋・軍手・鎌・熊手など、植物を抜く・刈るための道具を用意しておきましょう。
玉砂利がくすんでいるようなら、ザルを使って水洗いするだけでも輝きが違って見えます。

墓石を掃除する場合、墓石の上から水をかけて掃除をするのではなく、バケツ・桶に入れた水を雑巾・スポンジなどに含ませて、拭き掃除をします。
雑巾と言っても、すぐにでもボロボロになるものではなく、新しいものを選びましょう。

彫刻部分・文字の部分は、石造りとはいえデリケートなため、小さなブラシを使って汚れをかき出します。
使わなくなった歯ブラシや、自分の好きなサイズに切って使えるスポンジなどがよいでしょう。

花筒・線香皿も洗いますが、こちらも水をかけて終わりではなく、細かいゴミを水洗いして落とし、拭き上げます。
一通り終わったら、コケなどの植物を生やさないため、墓石を乾拭きするのも忘れずに行ってください。

ここまで真剣に取り組めば、ご先祖様もきっと喜んでくれるはずです。

この記事のまとめ

お盆のお墓参りは、基本的には普段のお墓参りと大きな違いはありません。
ただし、法要がからむ場合は、服装などに注意が必要です。

正式には、お参りする時間も決まっていますが、治安上の問題から時間をずらしたとしても全く問題ありません。
お供え物を選ぶ場合も、お盆独特のルールはごくわずかですから、まずはご先祖様・故人の安寧を祈る気持ちが大切です。

  • 公開日:2020.02.28
  • 更新日:2020.04.17

テーマ:法事・法要, お墓

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