知ってるようで知らないお通夜の流れ。
始まる時間や終わりの時間までのお通夜の流れを解説

  • 2020.07.10

葬儀

一般的に、お通夜は夕方~夜にかけて行われるイメージを持っている人が多いと思います。
しかし実際には、始める時間や終わる時間に明確な基準があるわけではなく、あくまでも開催側の都合で決めることができます。

とはいえ、あまりに早すぎたり遅すぎたりしても、一般弔問客が足を運ぶのが難しくなりますから、極力多くの人が足を運べるようスケジュール感を調整することが肝心です。

この記事では、お通夜で流れる「時間」に焦点を当てて一連の流れを解説するとともに、何らかの事情で遅刻等の状況が見込まれる場合の対処法についてお伝えします。

参列者目線における、お通夜全体のスケジュール感

まずは、参列者の目線から考えた際の、お通夜全体のスケジュール感についてお伝えします。
主に、お通夜が始まる時間・式次第が進行していく時間・セレモニーが終わってからの時間に分けられますから、それぞれでどう動くべきかをイメージしましょう。

お通夜が始まる時間

お通夜がスタートする時間は、概ね18~19時を選択する家が多いようです。
これは、平日など終業後に参列する人が多いことから、仕事が終わってから通えるような時間の方がよいという配慮によるものです。

特段の事情がなければ、そのくらいの時間からお通夜が始まることを想定し、予定を立てておくとスムーズです。
ただし、これはあくまでも一般的な傾向であり、家によっては17時台から始めるところもあれば、かなり遅めの20時ころをスタートにするところもあります。

開始時間をチェックする理由は、弔問客の受付を30~60分前から始めるところが多いからです。
一般参列者は15分ほど前に到着していれば問題ありませんが、気持ち余裕を持って到着するためにも、20分前を目安にした方が安心できるでしょう。

もちろん、あまりに早い時間に到着しても、かえって遺族側に迷惑をかけるだけです。
受付をする相手のことを考えて、予定を立てることが肝心です。

僧侶の読経と焼香の時間

お通夜が始まると、僧侶の読経が始まり、およそ10~20分ほど続きます。
読経と同時に、親族・参列者の焼香が始まりますが、開始のタイミングは葬祭スタッフから案内がありますから、あまり時間を気にする必要はありません。

お坊さんの読経が終わったら、今度は10~20分の説教があります。
ただし、これは告別式のみとする場合・完全に省いてしまう場合もあるため、100%行われるわけではないことを覚えておきましょう。

参列者の数に応じて、焼香の時間が終わるのはバラつきがあります。
短いもので20~30分、長ければ1時間ほどかかります。

これらの流れは同時進行で行われるため、お通夜のセレモニーとしてのスケジュールは、1時間を見ておけば間違いないでしょう。

通夜振る舞いに要する時間

お通夜の席では、弔問客・お通夜を手伝ってくれた人に対して、遺族が食事・お酒を振る舞うものです。
とはいえ、朝まで飲み明かすような性質の集まりではありませんから、弔問客は1時間程度を想定しておけば間違いないでしょう。

特に親しい場合は、完全にお開きとなるまで残ることも珍しくありませんから、2時間ほどかかる場合もあるようです。
また、諸事情があれば通夜振る舞いに参加せず会場を出ることも許されているため、こちらは時間の都合によって省略してもよいことになっています。

特に故人や遺族と親しいのなら、仮に通夜振る舞いに参加しないとしても、挨拶をするのが礼儀です。
通夜振る舞いは、食事も一口つけて帰るのが正式なマナーですから、その点も覚えておきましょう。

総じてかかるものと想定される時間

参列から通夜振る舞いまで、総じてかかる時間を試算すると、概ね以下のようになります。
なお、以下の例では、18:00にお通夜が始まる想定で考えています。

  • 17:00:葬儀の準備と会場への移動
  • 17:40:会場到着
  • 17:45:受付開始
  • 18:00:お通夜開始、僧侶の読経(同時進行で焼香が進む)
  • 18:20:読経終了、法話があれば行う
  • 18:40:法話終了、早ければ焼香がこの段階で終了
  • 19:00:焼香が一通り終了し、通夜振る舞いへ
  • 20:00:通夜振る舞いを退席(遅くまで残るなら21:00を想定)

概算ではありますが、目安としてはこのような流れで想定できます。

喪主・遺族目線における、お通夜全体のスケジュール感

続いては、喪主・遺族の目線で、お通夜を運営する側のスケジュール感をご紹介します。
お通夜が始まってからのスケジュールは同じですが、早めに会場入りして、挨拶や通夜振る舞いの準備も考えておかなければなりません。

おそらく、気持ちの整理を十分につけられないまま、忙しく時間が過ぎていくものと思われます。
しかし、スケジュール感が把握できれば、時間に追われている感覚を少しでも軽減できるはずです。

開始1時間前~開始まで

弔問客を受け入れるために、遺族・親族は開始1時間前には会場入りして、控室で待機しておきます。
30分前には受付が開始となりますから、そこで担当する親族・スタッフは香典を受け取り記帳を進めます。

同じころ、僧侶も会場入りして控室に待機するため、喪主はお茶・お菓子を用意して挨拶に向かいます。
このとき、喪主だけでなく世話役の人なども一緒に挨拶し、葬祭スタッフとともに式の進行を確認します。

15分前になると、一般弔問客が増えてくるので、遺族・親族は会場の指定席に座ります。
一般的には、祭壇を中心として右側が、喪主・遺族および親族の席となりますから、間違いのないよう座りましょう。
ちなみに、上座は「祭壇に近い方」と覚えておくと分かりやすいはずです。

開始~喪主の挨拶まで

開始から読経・法話・焼香などの流れは、弔問客と同じように考えて問題ありません。
ただし、僧侶が控室に戻ったら、最後に喪主は挨拶を行います。

遺族を代表し、弔問客に対するお礼、生前のよしみに対する感謝の意を伝えるなどして、お通夜は終わりを迎えます。
概ね、お通夜が始まってから4~50分が経過してから挨拶するのが一般的ですが、弔問客の都合を考え、挨拶自体は短く切り上げましょう。

通夜振る舞い

お通夜が終わると、通夜振る舞いの時間が始まります。
この時間に遺族がすべきことは、香典の会計です。

会計を担当している遺族以外は、基本的に通夜振る舞いの席を切り盛りすることに集中します。
喪主としては、挨拶をしたり遠方から来てくれた人に感謝の意を伝えたりと、動き回ることが多くなるでしょう。

お通夜に向かう前、問題が起こった際に注意すべきこと

弔問客の立場で考えると、できれば余裕を持ってお通夜に行きたいと考えるでしょうが、どうしても急な事情ができて遅れてしまうことがあります。
あまりに遅くなり過ぎても失礼にあたるため、日を改めるか遅刻して参加するかを判断し、失礼のないよう行動することが求められます。

遅刻が許される範囲

お通夜が始まる時間から考えると、30~1時間ほどの遅刻であれば、早ければお通夜に、遅くともその後の通夜振る舞いに参加できます。
また、香典も直接渡せるため、不義理にはならない範囲でしょう。

もちろん、遅刻をしないようスケジュール管理することが前提ですが、公共交通機関が止まってしまったり、車が渋滞してしまったりして、どうしても参列できないケースは十分想定できます。

事情をきちんと説明できる遅刻であれば、そこまで深刻に考えなくても問題ありません。

ただし、大幅に遅刻が予想される・例えば2時間を超えるようなことがあれば、その段階で一般弔問客のほとんどがいなくなっており、遺族・親族で明日のことを話す時間になっているはずです。

その状況下で、特段親しくない人間が足を運んだとしても、かえって気を遣わせてしまうだけですから、できれば翌日の告別式に参加するか、日を改めて訪問するかを考えておくとよいでしょう。

故人と関係が深かった場合は、非礼を詫びつつ遅れることを喪主に連絡して、駆けつけるという考え方もあります。
もちろん、参列を予定していた親族は、どんな事情でも一度喪主と顔を合わせ、告別式の準備等に参加しましょう。

斎場の閉館時間の確認

もし、参列が遅れる旨を喪主や遺族に連絡を入れたとしても、あまりに遅いと通夜振る舞いがお開きになり、斎場には誰もいなくなっているかもしれません。
これは、斎場の都合で閉館時間が定められている場合に起こります。

葬儀社が運営する斎場であれば、24時間運営しているところも珍しくありませんが、市営などの場合は閉館時間が設けられている場合があります。

このような場合は、遺族に迷惑をかけないためにも、後日改めて訪問した方が確実です。
主役は誰であるかをきちんと頭に入れて、自己中心的な判断はしないよう心掛けましょう。

お通夜にも告別式にも間に合いそうにない場合は、別の方法を考える

残念ながら諸事情が重なり、お通夜・告別式に参列できない線が濃厚になったら、別の形で弔意を伝える方法を考えましょう。
代表的なものが弔電で、故人・遺族に対する無念の気持ちを伝えることができます。

弔電は、告別式で読まれるため、弔電を扱っている会社で間に合うような時間帯に手続きを行いましょう。
間に合うタイミングの一例として、NTT東日本の電報であれば、19時までの申込なら当日配達ができます。

お通夜を行う日の19時に、斎場のある現地にたどり着くことが難しいようなら、早々に弔電の手続きを進めた方が賢明です。

この記事のまとめ

お通夜の時間は、親族の都合によって変わりますが、概ね始まる時間は決まっています。
それに合わせて少し早めに到着することを考えていれば、弔問客が遺族に迷惑をかける心配が少なくなります。

到着時間の遅れが生じる場合は、遅刻するにせよ日を改めるにせよ、早めの決断が肝心です。
最悪、弔電を入れることも想定して、できる限り遺族に配慮することを心がけましょう。

  • 公開日:2020.07.10

テーマ:葬儀

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