相場は平均300万と聞くけどそれ本当?
イマドキの葬儀費用の平均や目安と地域の価格差

  • 2019.08.21
  • 2020.04.17

葬儀

葬儀費用の相場は、一般的には「あるようでない」ものと捉えられています。
葬儀の規模や参列者の数、契約していたプランなどによって、金額に違いが見られるからです。

とはいえ、いつ頃からか、葬儀費用は平均300万円という言葉が一人歩きしました。

これは、生命保険などの営業トークの1つに、葬儀には300万円がかかるから、自分が亡くなったときに遺族が困らないように、300万円すぐ支払われる保険に入っておくと安心ですよといったトークの影響もあります。

実際、総額で300万円以上かかったと話す人も多くいますが、300万円も必要なかったと話す人も多くいて、その価格は人によって様々です。

特に、実際に身内が亡くなって初めて葬儀を手配するという人は、ほとんど何が何だか分からない状態のまま葬儀に臨むことになります。
混乱の中で葬儀屋に依頼することも珍しくないため、実際の内訳をよく知らないまま、グレードアップ・オプションの上乗せがされていることも珍しくありません。

現代では、そこまで非常識な葬儀屋は淘汰されつつあるものの、適性な金額を自分で知っておくことで、納得のいかない支払いを避けることができます。
今回は、葬儀費用の一般的な目安や平均・地域の価格差についてご紹介します。

葬儀費用の一般的な目安と平均について

葬儀費用は、各都道府県・都市部と地方の違いなどによって、差が生じる費用の一つです。
全国平均や一般的な目安を理解した上で、自分たちにとって適切な金額がいくらなのかを知っておきましょう。

費用の一般的な目安は150~250万円程度

2017年に日本消費者協会が行った、全国の葬儀費用をまとめた「葬儀についてのアンケート調査」では、全国の葬儀費用を都道府県別に算出しています。
それらを見ると、葬儀費用の一般的な目安は150~250万円程度であることが分かります。

都道府県によって高い・安いの違いこそあれ、概ね100万円単位の幅があると考えておけば間違いないでしょう。
費用を細かく見ていくと、大きく分けて以下の3つに分けられます。

  • 葬儀一式費用
  • 飲食接待費用
  • 寺院費用

葬儀一般費用とは、遺体の搬送や通夜・告別式など、葬儀そのものにかかる費用のことです。
これには返礼品や人件費も含まれます。

想定しておく費用としては、およそ100~120万円程度です。

飲食接待費用は、通夜振る舞い・精進落としのような、会葬者に振舞う人件費・飲食代が該当します。
人数による変動の他、料理の質によっても金額が変わってきます。

全国平均としてはおよそ31万円となっているものの、作り立ての料理をキッチンで作るなどのサービスがある場合、もっと金額が増えるケースもあります。

読経時、もしくは戒名をつける際などに発生するような、いわゆる「お布施」は寺院費用になります。
こちらは地域・宗派などによって金額はまちまちです。

その他に諸費が加われば、最終的に300万円近い金額になるのは十分考えられることです。

全国平均はおよそ200万円ほど

先にご紹介した「葬儀についてのアンケート調査」の結果では、葬儀費用の全国平均は195万円と算出されています。
300万円という金額は、高い部類に入ることが分かります。

細かく地域別に見てみると、愛知や静岡といった仏壇などで有名な地域をはじめ、岐阜や長野、山梨といった地域で高額となる傾向が見られます。
平均額は245万円で、全国平均よりも50万円高めです。

次いで費用平均が高い地域としては、千葉や北関東三県(群馬・栃木・茨城)が挙げられます。
こちらは238万円で、同じ関東の東京・神奈川・埼玉が186万円ですから、首都圏から少し離れたことで金額に差が生じる傾向が見られます。

一概には言えないものの、首都圏では業者の競争が激しく、金額に差が生じたものと思われます。

次いで上位となったのが、新潟や富山・石川・福井の北陸地方です。
平均額は227万円と、やはり200万円を超える出費となっています。

北陸地方では浄土真宗が盛んであり、信仰も篤いことから、その分死後の安寧に対する考え方が強いものと考えられます。
仏壇の産地としても有名なため、納得の金額と言えるでしょう。

東北地方は202万円、近畿地方は189万円という結果が出ています。
ようやく、平均値に近い数字が出てきました。

先ほどご紹介した東京・神奈川・埼玉の次は九州地方で、平均額は166万円となっています。
次いで中国地方の163万円、四国の156万円、最下位の北海道の154万円と続いていきます。

北海道については、相対的に本州と比較して物価が安いことも一因と考えられますが、都道府県を比較しただけでも、エリアによってかなりの開きがあります。

相場を考える場合、必ずしも都道府県の平均に合わせる必要はない

今回ご紹介した葬儀費用は平均値であり、必ずしも都道府県の平均に合わせて葬儀を検討する必要はありません。
簡略化された葬儀を行って金額を安くすることも可能ですし、無宗教葬ならお坊さんを呼ばない分費用を抑えられるケースも出てきます。

自分がプランを選ぶ場合や、急な不幸に対応する場合に備えて、相場はあくまでも相場として押さえておきましょう。
少なくとも、現時点で提示されている金額が、高いのか安いのかを判別する目安にはなるはずです。

少しでも費用を安く済ませたい場合、何を捨てて何を残すかが重要

葬儀費用を安く抑えるためには、葬儀屋が提案するプランの中で、自分たち家族や故人にとって何が必要なのかをイメージしなければなりません。
各種葬儀費用をチェックして、見積書に書かれた金額の内訳につき、一つひとつ必要・不要の判断を行いましょう。

葬儀一般費用は、一番お金がかかる分一番安くできる

葬儀をパーツごとに分けて考えた場合、やはり最も負担を減らせるのは葬儀一般費用です。

極端な話、直葬で終わらせれば10~15万円の費用で終わってしまうため、遺族が納得するなら葬儀はすぐに済ませて後日お別れ会を開くといったスタンスでもOKなのです。

会場や葬儀の規模も検討事項で、家族葬で済ませることを考えているなら、招待客が少ない分香典返し代もかかりません。
細かい点で言えば、祭壇の種類やお花のグレードを下げるなど、見直しをかけられる点は多々あります。

見積額が思ったより高いと感じたら、まずは葬儀本体の費用を安く済ませられるかどうかを検討してみましょう。

飲食接待費用は親族の意向を確認

一般的に、飲食接待費用は変動費の要素が強く、参加者の数に応じて費用も変わってきます。
それ以外では、お弁当や飲み物・親族が宿泊するお部屋など、あらかじめ用意されている複数の種類から何かを選ぶことが多いようです。

ここにどう出費するかは、家族が親族をもてなす際に考えておかなければならない要素です。
よって、一概に最も安い値段を選べばよいとも言い切れません。

故人がもともと人をもてなすことが好きな人だったのなら、やはりある程度きちんとしたクオリティのものを用意する必要があります。
生前に家族で話し合えるなら、しっかりと話し合っておきたいところです。

お寺へのお布施は菩提寺次第

一見金額について柔軟に対応できそうなお布施ですが、これは菩提寺次第・気持ち次第となるので、答えを一概に提示するのは難しいところです。
ただ、地域によっては隣近所に確認し、相場をチェックするという方法もあります。

なかなか直接お坊さんにディスカウントをお願いするのは難しい部分もありますから、ここは周囲と歩調を合わせるのが無難でしょう。
ただし、無宗教葬などお寺がからまない葬儀の場合は、この点における支出を心配する必要はありません。

テレビCMやネットの情報は、どこまで信頼できるのか

全国的に名を知られた業者は、テレビCMやネット広告を打ち出しています。
その中には、一見すると安いように思えるものもあり、「これだけ安くできるならここにしよう」と考える消費者は多いものです。

しかし、よくよく内容を確認してから契約しなければ、思っていた以上の出費を要求されることもあります。
CMを見て契約を検討するなら、以下の点に注意して、総額いくらかかるのかを必ず確認しましょう。

「積立式」の葬儀は、積み立てた分だけで葬儀が成立するか確認する

主に互助会制度を利用した葬儀屋に多いチェックポイントですが、毎月一定額を数年間にわたり積み立てることで、もしもの時に備えようという「積立式」の葬儀があります。

CMや資料を見ると、毎月の積立額は2千円程度・総額18万円といったように、かなり良心的な値段に押さえらえています。

しかし、ここにはカラクリがあり、あくまでも積み立て分は支払総額を減らすための意味合いでしかなく、実際に葬儀を行うと総額が大きく膨らんでしまうというケースが見受けられます。

営業担当者によっては、このあたりの事情をしっかり説明せずにプランをすすめることもあるため、しばしば消費者からのクレームに発展する案件の一つです。

思っていた以上の出費を要求されないためにも、事前にきちんと総額いくらかかるのか、担当者に確認しましょう。

ネット上の相場観ではなく、家族が支払える金額を主体に考える

葬儀費用を考える場合、全国平均より高いか安いかで判断するのは、確かに有効な指針の一つです。
しかし、最終的に葬儀を行うのは家族自身であり、その中で支払える金額を検討するのも家族です。

自分の都道府県では相場が200万円だからといって、200万円に抑えようと考える必要はありませんし、逆にそれを基準にオプションを営業担当者に言われるがまま積み重ねる必要もあります。

支払う側の希望を最優先にして、プランを練りましょう。

複数の業者から相見積もりを取ろう

葬儀に関することは、どうしても内々で話がまとまりやすく、一つの業者に決めたら律義にその業者を使い続ける家庭は少なくありません。

地域によっては葬儀屋自体が少ないこともあって、そのような傾向になりがちではあるものの、選択の余地があるなら相見積もりを取ることをおすすめします。

業者によってあっせんするプランの違いや、より高い商品をすすめるといった担当者のスタンスの違いなど、見積もりの内容から自分たちに合った業者が自ずと絞り込めます。

どのような葬儀にしたいのか、おぼろげでもイメージが固まり始めているなら、まずは近郊の葬儀屋をあたってみましょう。

この記事のまとめ

葬儀費用は、目安があるようでないジャンルです。
しかしながら、やはり高額なものになるため、多くの人が気になるポイントでもあります。

他の誰でもない、自分あるいは自分の家族のための葬儀です。
そのため、誰かを基準にするよりは、自分たちの意思を尊重した方が安心できます。

注意すべきは一般的な平均の価格を知り、ぼったくられないようにすること。
そして、外部の情報はあくまでも参考情報とし、振り回されすぎないようにしつつ、自分が出せる費用の範囲でプランを検討することを忘れないようにしましょう。

  • 公開日:2019.08.21
  • 更新日:2020.04.17

テーマ:葬儀

タグ :

この記事を読んだ人におすすめの記事

家族葬は身内の誰までを呼ぶべきか。声を掛ける側と参列する側の判断基準について
少子高齢化が進む日本では、多数の人を呼んで執り行う一般葬を負担に感じる人が増えてきています。 長生きすればするほど縁故の人が亡くなっていくため、気が付いたら自分の周囲に知り合いが一 ...

知ってるようで知らない「御焼香」基本のマナーや手順と注意点を解説
訃報は急に知らされるため、実際にお通夜・告別式に参列するタイミングになってから、あわててマナーを確認するという人は多いと思います。 親族として失礼のない振る舞いをしなければならない ...

宗派によって違う香典袋の書き方。表書きの基本と書き方と注意点
香典袋を用意する時、多くの方はコンビニ・文房具店などで、すでに表書きや水引が印刷されているものを選ぶことが多くなりました。 しかし、それほど親しくない間柄の人の葬儀に参列するならま ...

家族が葬儀でやらなければいけない事。葬儀社の葬式サポートはどこからどこまで
家族や友人・知人など、人と人とのつながりがある限り、何度かは誰かの死に立ち会わなければなりません。 そのような中で頼りになるのが、数多くの人の死を見つめ、サポートしてきた葬儀社です ...

お通夜の流れ。始まる時間や終わりの時間までのお通夜の流れを解説
一般的に、お通夜は夕方~夜にかけて行われるイメージを持っている人が多いと思います。 しかし実際には、始める時間や終わる時間に明確な基準があるわけではなく、あくまでも開催側の都合で決 ...