通夜振る舞いの開式・閉式で
喪主による挨拶や献杯についてを解説します

  • 2020.10.16

葬儀

お通夜・告別式では、喪主が諸々の場面で挨拶をします。
大抵は、いきなり挨拶を振られることはありませんから、事前に文章を作成して挨拶に臨みます。

ただ、実際に挨拶を書いてみようと思い立っても、なかなか文章が出てこない人も多いはずです。
通夜振る舞いに参加すること・通夜振る舞いを開くことにつき、経験が少ないという人は多いですから、何をどう伝えるべきなのか戸惑ってしまうのは、仕方のないことかもしれません。

この記事では、喪主が考えるべき「通夜振る舞いの挨拶」について、開式・閉式それぞれの場面における挨拶の考え方・例文と、献杯の習慣についてご説明します。
考え方を覚えておけば、そこまで本文作成に悩むことはありませんから、まずは基本を頭に入れておくことをおすすめします。

通夜振る舞いの開式で伝えるべきこと・例文について

通夜振る舞いは、1時間から長くて2時間を過ごす式のため、きちんとした挨拶を喪主が行えば、その後の時間が引き締まります。
故人のことを偲ぶ時間になるよう、最期の思い出を参列者に作ってもらえるよう、できるだけ丁寧に、選び抜いた言葉を挨拶に込めたいところです。

まずは、開式の段階で何を伝えるべきなのかを知り、文章構成のための例文を確認してから、本文作成にあたりましょう。

何はともあれ、お越しいただいた方に感謝の意を伝える

挨拶を作る以上、できるだけ参列者に刺さる言葉を考えたいという気持ちは分かりますが、喪主はコピーライターではありませんから、そこまで凝った言葉を選ぶ必要はありません。

何よりも故人に代わって伝えるべきなのは、間違いなく忙しい時間の合間を縫って参加してくれた参加者への感謝の気持ちであり、その優先順位を忘れてはいけません。

通夜振る舞いは、お通夜が終わってから始まりますから、長い時間を故人のために過ごしてくれたことへの感謝を伝えることが肝心です。
喪主が参列者に向けて感謝の意を伝えられる場面は限られていますから、何はともあれ感謝の言葉だけは省略しないよう注意が必要です。

故人はどのように人生を終えたのか、最期を語る

お通夜が始まるのは、故人が亡くなって間もないタイミングですから、大抵の人は不幸の連絡を受けてから時間的余裕がないはずです。
特に、故人の最期を見届けたのは身内のみ、というケースがほとんどなので、参列者の中には故人の最期を知りたがっている人もいます。

そこで、せっかく喪主として挨拶するなら、参列者が知りたがっていることを伝えてあげると親切です。
具体的には、どのようにして故人は息を引き取ったのか・最期にどのような言葉を遺したのかなど、病院などでのエピソードを添えましょう。

そこから派生して、しばらく故人と連絡を取り合っていなかった参列者に向けて、亡くなるまでの何年間かについて触れるのもよいでしょう。

あまり長ったらしく話をする必要はありませんが、言葉足らずになってもいけませんから、文字数が足りないと判断したら付け加える程度に考えておけば問題ないはずです。

一通り伝えた後で、ようやく通夜振る舞いの案内に入る

感謝・近況を伝えたら、そこでようやく通夜振る舞いの案内に進みます。
案内といってもすでに人が集まっているわけですから、場を設けたことを一言伝えるだけで大丈夫です。

ポイントとしては、謙遜する気持ちを持って「ささやかではございますが」・「気持ちだけですが」などといった言葉を添えることです。
この点を伝えておけば、今話していることは挨拶なのだと周囲は認識しますから、その後の献杯へとスムーズにつながります。

開式における例文

上記の内容を踏まえ、以下に簡単な例文をまとめています。
どうしてもイメージが湧かなければ、こちらの例文における名前・時期・続柄を書き換えてお使いください。

例文

本日はお忙しい中、母○○の通夜にご参列いただき、ご丁寧なお悔みをくださいまして、誠にありがとうございました。
母は、昨年より体調を崩して療養中でございましたが、昨日午後○時に息を引き取りました。

享年○○歳でした。

1年間、主に療養施設での生活となりましたが、母は決して泣き言を言わず淡々と過ごしておりました。
その際も、皆様から温かいお心遣いをいただき、母も喜んでおりました。
故人に代わり、心から感謝申し上げます。

今回は、気持ちばかりではございますが、お食事の場を設けさせていただきました。
皆様のお時間の許す限り、本日はお食事を一緒に召しあがりながら、母を偲んでいただければと思っております。
本日は、誠にありがとうございました。

それでは、まずは献杯させていただきます。献杯。

通夜振る舞いの閉式で伝えるべきこと・例文について

通夜振る舞いの時間を過ごしたら、時期を見て喪主は閉式の言葉を伝えます。
翌日は午前中に告別式がありますから、あまり遅くなっても支障をきたすため、タイミングを見てお開きにします。

人数を鑑みて、人がはけてきたら挨拶の時期を検討しますが、逆に、いつまでたっても終わりそうにない場合も閉式の流れを作らなければなりません。
時間としては、開式から概ね1~2時間を目安に、挨拶を行いましょう。

改めて、お通夜・通夜振る舞いに参加してくれたことに感謝する

閉式の挨拶も、基本は感謝を伝えることから始まります。
お通夜が19時に終わったとしたら、早くても20時・遅ければ21時にまで通夜振る舞いが続きますから、それだけの時間を故人のためにとってくれたことに感謝すべきです。

また、通夜振る舞いの中で話に花が咲き、今まで故人について喪主や親族が知らなかったことに触れる機会もあると思います。
そのような、新しいエピソードを得られたことに対しても、感謝の意を伝えましょう。

ただ、挨拶が苦手な人にとってはアドリブが難しいでしょうから、あえてエピソードを挨拶で紹介する必要はありませんし、特に参列者の名前を出して感謝する必要もありません。

総じて、このような話があった・気付きがあった、ということを伝えるだけで十分です。

一日の感想を述べるのもよい

ある程度の人数が一堂に会して話をするわけですから、通夜振る舞いとはいえ、比較的活気のある集いになることは想像できます。
ただ、場の雰囲気は参加している人によって様々ですから、その日の感想も変わってくるはずです。

そこで、喪主の率直な感想を言葉にできれば最もよいのですが、自分で即座に気持ちを言葉にできないなら、定型的に言葉を決めておきます。
「おかげさまで故人のことを思い返す時間ができた」・「知らなかった話が聞けた」など、何でもよいので感想につながりそうな言葉を付け加えます。

もちろん、自分の感じたことを素直に伝えられるのであれば、そのようにして全く差し支えありません。

告別式の案内と、参列者に対する気遣いを忘れずに

挨拶の最後には、お通夜の翌日に行う告別式等について、案内を入れます。
何時にどこで行われるのかなど、翌日のスケジュールも含め、簡潔に伝えましょう。

おそらく、通夜振る舞いに参加している参列者は、スケジュールを把握しているはずです。
しかし、誤って覚えている可能性もありますから、それを修正してもらう意味でも正しい情報を伝えておいて損はありません。

遅くまでいてくれたことは大変ありがたいですが、参列者は夜道を歩いて帰宅することになりますから、一言「どうぞお気を付けてお帰りください」と添えることも大切です。

自分が帰る立場になった際、かけてもらって嬉しい言葉を選びましょう。

閉式における例文

上記の内容を踏まえ、以下に簡単な例文をまとめています。
どうしてもイメージが湧かなければ、こちらの例文における名前・時期・続柄を書き換えてお使いください。

例文

本日はご多忙のところ、母の通夜にご参列いただき、皆様本当にありがとうございました。
皆様のおかげをもちまして、滞りなく通夜を済ませることができました。

私も含め、親族が知らなかった母の一面を垣間見て、思い出深い時間となりました。
母が皆様に大変よくしていただいたことを知り、大変嬉しく思っております。

あいにく夜の帳が下りてしまい、明日のこともございますので、本日はこれにてお開きとさせていただき、後は家族で見守ることと致します。
なお、明日の告別式・葬儀につきましては、午前○○時よりこちらの斎場にて予定しております。

お時間が許すようでしたら、ぜひ皆様とともにお見送りできればと存じます。
夜道は暗いため、どうぞ足元にお気を付けてお引き取りくださいませ。
本日は、誠にありがとうございました。

献杯について

挨拶について触れてきたところで、最後に「献杯」について、簡単に触れたいと思います。

献杯というのは、杯やグラスなどを「故人の遺影に向けて高く持ち上げる」ことを言います。
乾杯と違って、めでたいわけではなく、故人の供養の意味を込めて行う儀式となります。

開式の挨拶で、喪主が献杯の音頭を取りますが、拍手などは必要ありません。
献杯を終えてから、参加者は料理・お菓子などに手を付ける形になります。

ちなみに、喪主が必ずしも献杯の音頭を取る必要はなく、故人の兄弟・親友が行っても差し支えありません。
必要に応じて、依頼する人を決めておくのもよい方法です。

この記事のまとめ

通夜振る舞いの席での挨拶は、お通夜の挨拶と比べると、やや気持ちのこもった表現になります。
あらかじめ文章を用意しておくのは大事ですが、できれば当日の感想に至る部分も付け加えて伝えられると、参列者の気持ちが和らぐことでしょう。

途中、たどたどしくなりそうだと思ったら、事前に読んでみたり誰かに聞いてもらったりして、できるだけ言葉がスムーズに出るよう意識しましょう。
逆に、自然と言葉が出るようなら、そちらを優先して話した方が、心に響く挨拶ができるはずです。

  • 公開日:2020.10.16

テーマ:葬儀

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